おはようございます。会長です。
先日、ある試作パーツを見積もりをお願いしたら、ステンレスの種類はどうしますか?
と聞かれました。
ステンレスに種類があるのは知っていましたが、どれにしますか?と言われても「一般的なものでお願いします」としかいいようがありませんでした。
一般的なものですと、SUS304とSUS430があるのですが、どちらにしますか?
と来たもんですから、違いをいろいろ調べていたら、ちょっとだけステンレスのことに詳しくなりましたので、今日は簡単にまとめたものをご紹介したいと思います。
ステンレスとは?なぜ錆びにくい?
ステンレスは皆さんご存知の通り、錆びにくい金属なのですが、鉄に「クロム」を加えた合金です。
クロムが含有していると、大気中の酸素との反応で、薄い被膜が出来てサビから守ってくれるそうです。
万が一、表面が削れて被膜が破れても、金属自体からクロムが供給されるため、新しい被膜が瞬時に出来て(自己再生)、サビ(酸化)を抑えてくれるそうです。
クロムを10.5%以上含む鋼を「ステンレス」と呼ぶそうで、このクロムがサビ防止に重要な役割をしてくれているようです。
ステンレスには種類がある
ステンレスには種類が沢山ありますが、覚えておいたほうがいい一般的なものは
- SUS304
- SUS430
- SUS403
の3つのようです。
たった3つですが、「3」と「4」と「0」が入り混じっていて分かりにくいですね。
サビ(耐食性)に優れた順に簡単解説
わかりやすく、耐食性に優れた順で違いを説明しますと
SUS304
クロム含有率18%〜20%に加えてニッケルを8~10.5%添加しているようです。ニッケルを加えると耐食性や加工性が向上するそうです。下水などによく使われている金属だそうです。
SUS403
SUS403はニッケルを含まないため、SUS304よりも耐食性は劣りますが、クロム含有率が16%〜18%ある為、それでも耐食性には優れています。
SUS430
SUS430はSUS403と同様、ニッケルは含みません。クロム含有率が11.5%〜13%と中でも低く、耐食性は一番劣ります。
ステンレスは磁石にくっつく?くっつかない?
ステンレスは磁石につくのか?と言われてみると、くっつかなかった気もしますし、くっついた気もします。
調べてみると、ニッケルを含まないSUS403とSUS430は磁石にくっつく磁性体、ニッケルを含むSUS304は磁石にくっつかない非磁性体だそうです。
磁石にくっつけてみれば、SUS304かSUS4**か見分けることが出来るのですが、くっつかないSUS304も溶接や加工などで熱を加えた時に若干の磁性を持つこともあるそうです。※かなり弱いらしいです。
試してみたところ、100円ショップのステンレスのハサミはくっつきましたが、SUS304で出来た鍵(キー)はくっつきませんでした。
ステンレスの種類まとめ
分かりやすく簡単にまとめると
種類 | クロム含有率 | ニッケル | 耐食性 | 磁性 |
---|---|---|---|---|
SUS304 | 18~20% | 8~10.5%含む | ◎ | ✕ |
SUS403 | 16~18% | 含まない(0.6%以下) | ◯ | ◯ |
SUS430 | 11.5~13% | 含まない(0.6%以下) | △ | ◯ |
このようになり
「磁石にはくっつかないステンレス(304)は錆びにくい」
ぐらい覚えておくといいかもしれません。
ステンレスがなぜ錆びる
ステンレスが錆びにくいのは、ステンレスに含まれる「クロム」が酸素に触れることで皮膜を作っている為ということはわかりましたが、釣りで使っているとステンレスのナイフがサビてしまったりしますが何故でしょうか?
実は、クロムがつくる皮膜「不動態皮膜」は、海水など塩素イオンが原因で穴状に破れてしまうそうです。
被膜に穴が空くことで、そこから酸化してしまうのですが、クロム含有率が多いと被膜の破壊の対策になる為、クロム含有率が高いSUS304が一番錆びにくいようです。
水洗いなどで、海水(塩素イオン)を取り除くことにより、クロムと酸素がまた皮膜を作り穴を塞いでくれますので、海でつかったナイフなどは水洗いしたほうがいいようです。
また、「もらい錆」と呼ばれるものがあり、ステンレスと鉄が一緒になったプライヤーなどは、鉄の部分が錆びると、鉄の錆がステンレスに付着するそうで、ステンレスがサビたように見えることがあるそうです。
サビたものを一緒に入れておくのも伝染るそうです。
この場合は、磨けば取れるそうで、一見「ステンレスがサビた!」ように見えますが、ステンレスに錆がついただけだそうです。
以上、釣り人としては
- ステンレスに含まれる「クロム」が皮膜をつくる
- クロム含有率が高く、ニッケルを含むSUS304は3つの中でも一番錆びにくい
- SUS304は磁石につかない
- 海水(塩素イオン)が原因で被膜に穴が開く
- 海水(塩素イオン)を取り除けば、また被膜が出来る
- 「もらい錆」は表面にくっついているだけ
ぐらい覚えておくと良さそうです。
ちなみに、磁石にくっつくから錆びやすいわけではありませんので、持っている釣り道具やナイフがくっついてもがっかりしないでください♪
くっつかないものがより錆びにくいだけですから♪
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